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No.1 2026.09.21 BLOG

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い|宅建士が実務目線で解説

不動産を売却するとき、不動産会社へ仲介を依頼する際に結ぶのが「媒介契約」です。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

初めて不動産を売却する方にとっては、

「一般媒介と専任媒介は何が違うの?」

「複数の不動産会社に依頼した方が売れやすいのでは?」

「専任媒介にすると、その不動産会社しか買主を探せないの?」

「不動産会社から専任媒介を勧められたけれど、そのまま契約して大丈夫?」

など、分かりにくいことも多いでしょう。

媒介契約は、不動産会社へ売却を依頼するための重要な契約です。

一方で、実際の不動産売却では「一般媒介だから売れやすい」「専任媒介だから高く売れる」というように、契約の種類だけで売却結果が決まるわけではありません。

売出価格、物件の需要、広告方法、物件情報の見せ方、問い合わせへの対応、販売戦略など、さまざまな要素が関係します。

そのため、媒介契約を選ぶときには3種類の制度上の違いを理解するとともに、その不動産会社が実際にどのように物件を販売するのかまで確認することが大切です。

この記事では、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いを整理したうえで、それぞれのメリットや注意点、REINS(レインズ)との関係、媒介契約を選ぶ際に確認しておきたいポイントについて、宅建士が実務目線を交えながら分かりやすく解説します。


不動産売却で媒介契約を結ぶタイミング

不動産売却の媒介契約とは?

媒介契約とは、不動産を売却するときに、不動産会社へ買主探しや売買契約に向けた仲介業務を依頼するための契約です。

不動産会社へ査定を依頼しただけでは、通常、その会社へ正式に売却活動を依頼したことにはなりません。

査定内容や販売方針などを比較し、売却を任せる不動産会社を決めた段階で媒介契約を結び、本格的な販売活動へ進んでいくのが一般的です。

💡不動産売却全体の流れを先に確認したい方は、「不動産売却完全ガイド」もあわせて確認しておくと理解しやすいでしょう。


■媒介契約には3種類ある

売却時に利用される媒介契約には、大きく分けて次の3種類があります。

・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約

大きな違いは、複数の不動産会社へ同時に依頼できるか、自分で見つけた買主と取引できるか、REINSへの登録義務があるか、不動産会社から売主への業務報告義務があるか、といった点です。

名称だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、まずは「複数社へ依頼できる一般媒介」と「1社へ依頼する専任系の媒介」に分けて考えると理解しやすくなります。

ただし、ここで注意したいのは、依頼できる不動産会社の数と、実際に購入希望者を探す不動産会社の数は同じ意味ではないということです。

この違いについては後ほど詳しく解説します。


一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い

まずは3種類の基本的な違いを整理してみましょう。

比較項目一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の不動産会社への依頼できるできないできない
自分で見つけた相手との取引できるできる原則できない
REINSへの登録義務なしありあり
売主への業務報告義務法定義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
契約期間契約内容による3か月以内3か月以内

※上表は宅地建物取引業法および国土交通省の標準媒介契約約款をもとに、売却時の基本的な違いを整理したものです。


3種類の媒介契約について、複数社への依頼、自己発見取引、REINS登録、活動報告、契約期間を比較した表

この表だけを見ると、

「複数社へ依頼できる一般媒介の方が有利なのでは?」

と感じる方もいるかもしれません。

一方、

「1社に任せる専任媒介の方が、不動産会社が積極的に販売してくれるのでは?」

と考える方もいるでしょう。

しかし、実務ではそれほど単純ではありません。

媒介契約の種類は「売却をどのような体制で進めるか」を決める要素の一つです。

どの契約形態を選んだとしても、売出価格が市場とかけ離れていたり、販売方法が物件に合っていなかったりすれば、思うように問い合わせが入らないことがあります。

反対に、物件の特徴を踏まえて価格や販売方法が適切に設定されていれば、契約形態にかかわらずスムーズに成約へ進む場合もあります。

そのため、媒介契約を選ぶときは「どの契約が一番良いか」ではなく、それぞれの仕組みを理解したうえで、自分の売却方針や物件に合っているかを考えることが重要です。


一般媒介契約の特徴とメリット・注意点

一般媒介契約は、複数の不動産会社へ同時に売却の仲介を依頼できる契約です。

たとえばA社・B社・C社の3社と一般媒介契約を結び、それぞれに購入希望者を探してもらうことができます。

また、売主自身が親族や知人などから購入希望者を見つけた場合に、自らその相手と取引する「自己発見取引」も可能です。


■複数の不動産会社へ依頼できる

一般媒介の分かりやすい特徴は、売却を1社だけに任せる必要がないことです。

複数の不動産会社へ依頼することで、それぞれの会社が持つ顧客や販売経路から購入希望者を探してもらえる可能性があります。

特定の不動産会社1社に絞ることに不安がある場合や、複数社へ並行して売却を依頼したい場合には、一般媒介が選択肢になります。


■自分で買主を見つけることもできる

一般媒介では自己発見取引が認められています。

たとえば売却活動中に知人から「その家を購入したい」と相談された場合など、自分で見つけた相手と取引することが可能です。

ただし、実際の不動産取引では売買契約書の作成、物件調査、住宅ローン、登記、引渡しなど多くの手続きが関係します。

自己発見取引が可能だからといって、必ずしも個人間だけで取引を進める必要があるわけではありません。


■一般媒介ではREINSへの登録義務がない

一般媒介契約では、法律上、不動産会社にREINSへの登録義務はありません。

ただし、「登録義務がない」ことと「登録できない」ことは別です。

実際にどのような方法で物件情報を広げるのかについては、媒介契約を結ぶ前に確認しておくとよいでしょう。


■複数社に依頼すれば販売力が単純に倍増するわけではない

ここは実務上、特に理解しておきたいポイントです。

一般媒介について、

「3社に頼めば3社が競争するから、1社に頼むより早く高く売れるのでは?」

と考える方もいます。

しかし、不動産売却は依頼する会社数だけで結果が決まるものではありません。

同じ物件を複数社が販売していても、売出価格そのものが相場とかけ離れていれば購入希望者からの問い合わせが増えるとは限りません。

また、複数社へ依頼すると、それぞれの会社との連絡や販売状況の確認、価格変更時の情報共有などを売主自身が管理する場面も増えます。

不動産ポータルサイト上に同じ物件が複数掲載される場合には、価格や物件情報、掲載写真などの内容が各社で適切に統一されているか確認することも大切です。

したがって一般媒介は、単純に「多くの会社へ依頼できるから有利」と考えるのではなく、複数社へ依頼するメリットと、売主側で情報や連絡を管理する負担の両方を理解したうえで検討する必要があります。


■一般媒介を検討しやすいケース

一般媒介は、複数の不動産会社を通じて販売活動を行いたい場合や、1社に売却活動を任せることに抵抗がある場合などに検討できます。

一方で、複数社へ依頼する場合でも、各社の査定価格だけを比較して決めるのはおすすめできません。

査定価格は「その金額で必ず売れる価格」ではないためです。

💡査定価格の考え方については、「不動産査定とは?机上査定と訪問査定の違い」で詳しく解説しています。


専任媒介契約の特徴とメリット・注意点

専任媒介契約は、売却の仲介を依頼する不動産会社を1社に限定する契約です。

契約期間中は、同じ物件について他の不動産会社へ重ねて媒介を依頼することはできません。

一方で、売主自身が買主を見つけた場合の自己発見取引は認められています。


■売却の窓口を1社にまとめられる

専任媒介では売主側の窓口となる不動産会社が1社になるため、販売状況や問い合わせ状況などを把握しやすいのが特徴です。

複数社へ個別に連絡する必要がなく、

・どのくらい問い合わせがあったか
・内覧後の反応はどうだったか
・現在の価格について市場からどのような反応があるか
・今後どのような販売活動をするか

などを1社と相談しながら進められます。

特に売却期間が長くなった場合には、こうした情報を整理しながら販売戦略を見直すことが重要になります。


■専任媒介にはREINSへの登録義務がある

専任媒介契約では、不動産会社に指定流通機構への登録義務があります。

これは、売却を依頼した1社だけで物件情報を抱えるのではなく、不動産会社間の情報ネットワークを通じて物件情報を共有するための仕組みです。

そのため、

「専任媒介にしたら、その不動産会社だけしか買主を探せない」

という理解は正確ではありません。

売主から売却を依頼される窓口は1社ですが、REINSなどを通じて物件情報を確認した別の不動産会社が、自社の購入希望者へ物件を紹介することもあります。

専任媒介でも他の不動産会社から買主を紹介できる仕組み

■売主への販売活動の報告義務がある

専任媒介では、不動産会社は売主に対して2週間に1回以上、媒介業務の処理状況を報告する必要があります。

ただし、実務上は「2週間に1回報告が来ているから問題ない」と考えるだけでは不十分です。

重要なのは報告の中身です。

たとえば、

・広告への掲載状況
・問い合わせ件数
・内覧件数
・購入検討者からの反応
・価格に対する反応
・今後の販売方針

などが分かれば、現在の売却活動が順調なのか、価格や販売方法を見直す必要があるのか判断しやすくなります。


■専任媒介だから積極的に販売してもらえるとは限らない

「専任媒介なら1社に任せるため、不動産会社が一般媒介より力を入れて販売してくれる」

と説明されることがあります。

確かに、1社が継続的に売却活動を管理しやすいという特徴はあります。

しかし、専任媒介という契約を結んだだけで、販売活動の質まで保証されるわけではありません。

どの媒体へ掲載するのか、どのような写真や物件情報を使用するのか、問い合わせが少ないときにどのような改善策を考えるのかなど、実際の販売方針まで確認することが重要です。

💡この点は、不動産会社を選ぶ際にも重要です。「不動産売却で失敗しない不動産会社の選び方」では、査定価格だけでは判断できないポイントについて詳しく解説しています。


専属専任媒介契約の特徴とメリット・注意点

専属専任媒介契約も、売却を依頼できる不動産会社は1社です。

専任媒介と似ていますが、大きな違いの一つが「自己発見取引」です。


■自分で見つけた相手との直接取引にも制限がある

専任媒介では、売主自身が見つけた相手と取引することができます。

一方、専属専任媒介では、売主自身が購入希望者を見つけた場合でも、原則として媒介契約を結んだ不動産会社を通じて取引することになります。

そのため、3種類の媒介契約の中では売主側の制約が比較的大きい契約です。

ただし、「制約が多い=悪い契約」という意味ではありません。

契約内容を理解したうえで、自分の売却方針に合っているかを判断することが重要です。


■REINSへの登録期限が専任媒介より短い

専属専任媒介にもREINSへの登録義務があります。

専任媒介よりも登録期限が短く設定されている点が特徴です。

また、不動産会社から売主への媒介業務の報告についても、専属専任媒介では1週間に1回以上と、専任媒介より短い間隔で行うことが求められています。


■販売状況を把握しやすい

売却窓口を1社にまとめ、定期的な報告を受けながら売却を進められるため、販売状況を把握しやすい契約形態といえます。

一方で、自己発見取引にも制限があるため、

「親族や知人などが購入する可能性がある」

「自分でも購入希望者を探したい」

という場合には、契約前にその違いを十分理解しておく必要があります。


■専属専任媒介でも契約形態だけで判断しない

専属専任媒介を検討する場合も、契約の名称だけで判断するのではなく、

・どのような広告を行うのか
・どの媒体へ掲載するのか
・どのように物件の魅力を伝えるのか
・問い合わせや内覧の状況をどう報告するのか
・反響が少ない場合にどのような改善策を考えるのか

といった販売方針まで確認しておくことが大切です。

媒介契約は不動産売却のスタート地点の一つです。

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のどれを選ぶかだけではなく、「契約した後にどのように売却活動を進めるのか」まで確認することが、実務では重要になります。


宅建士が実務で見る「媒介契約より重要なポイント」

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介には、それぞれ制度上の違いがあります。

しかし、実際の不動産売却では、媒介契約の種類だけで売却結果が決まるわけではありません。

宅建士として実務目線で考えると、「一般媒介と専任媒介のどちらにするか」と同じくらい重要なのが、媒介契約を結んだ後に、その不動産会社がどのような販売活動を行うのかという点です。


■媒介契約の種類だけで売却結果は決まらない

不動産が売れるかどうかには、さまざまな要素が関係します。

・売出価格が市場に合っているか
・その地域や物件にどの程度の需要があるか
・物件情報が購入希望者へ十分に届いているか
・写真や間取り、物件説明が分かりやすいか
・問い合わせに適切に対応できているか
・内覧後の反応を販売活動へ反映できているか
・必要に応じて価格や販売方法を見直しているか

こうした要素が組み合わさって、売却活動の結果につながります。

そのため、「一般媒介だから売れやすい」「専任媒介だから高く売れる」と契約形態だけで判断するのは適切ではありません。

不動産の売却結果に影響する主な要素

■査定価格ではなく「なぜその価格なのか」を確認する

複数の不動産会社へ査定を依頼すると、会社によって査定価格が異なることがあります。

そのとき注意したいのが、一番高い査定価格を提示した会社が、一番高く売ってくれる会社とは限らないということです。

査定価格は、不動産会社が周辺の成約事例や現在の売出物件、土地・建物の状態などをもとに算出した価格です。

実際にその価格で買主が現れることを保証するものではありません。

そのため、査定価格そのものだけでなく、

「どの成約事例を参考にしたのか」

「現在売り出されている競合物件と比べてどうなのか」

「なぜこの価格で売れると考えているのか」

まで確認することが重要です。

査定価格については「不動産査定とは?机上査定と訪問査定の違い」で詳しく解説しています。


■どこで、どのように販売するのかを確認する

媒介契約を結ぶ前には、具体的な販売方法も確認しておきたいところです。

不動産会社のホームページだけでなく、不動産ポータルサイトへの掲載、REINSを通じた他社への情報提供、既存顧客への紹介など、販売方法にはさまざまなものがあります。

重要なのは、「広告します」「インターネットに掲載します」という説明だけで終わらせないことです。

どのような媒体を利用する予定なのか、どのような写真や物件情報を掲載するのかなど、可能な範囲で具体的に確認しておくと、媒介契約後の販売活動をイメージしやすくなります。


■問い合わせ件数だけでなく「反応の内容」を見る

販売開始後は、問い合わせや内覧の件数も重要な判断材料です。

しかし、件数だけを見るのではなく、購入検討者がどのような反応をしているのかまで確認すると、次の販売戦略を考えやすくなります。

たとえば、

「問い合わせそのものがほとんどない」

「問い合わせはあるが内覧につながらない」

「内覧はあるが購入申込みにつながらない」

では、それぞれ考えられる原因が異なります。

売出価格を見直すべきなのか、写真や物件情報を改善すべきなのか、あるいはもう少し販売を継続すべきなのか。

こうした判断を不動産会社と一緒に行えるかどうかも、媒介契約後の重要なポイントです。


一般媒介なら不動産会社同士が競争して高く売れる?

一般媒介についてよく聞かれるのが、

「複数の不動産会社に依頼すれば、会社同士が競争して高く売ってくれるのでは?」

という疑問です。

確かに一般媒介では、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できます。

そのため、それぞれの会社が持つ購入希望者へ物件を紹介してもらえる可能性があります。

ただし、依頼する会社の数が増えれば、その分だけ売却価格が高くなるという関係ではありません。

不動産を最終的に購入するのは不動産会社ではなく、原則として市場にいる購入希望者だからです。

たとえば市場では3,000万円前後で比較されている物件を3,500万円で売り出した場合、3社へ依頼したからといって購入希望者が3,500万円で購入してくれるとは限りません。

逆に、1社への専任媒介であっても、市場に合った価格設定を行い、物件情報を適切に広げることで購入希望者が見つかることもあります。


■「競争させること」より「どう売るか」を確認する

一般媒介を選択するときも、単純に依頼する会社数を増やすのではなく、それぞれの会社がどのような販売活動を考えているのかを確認することが大切です。

これは専任媒介でも同じです。

媒介契約の種類よりも、

「この物件を誰に、どのように見てもらうのか」

「現在の売出価格をどう考えているのか」

「反響が少なかった場合にどう対応するのか」

まで確認する方が、実際の売却活動を考えるうえでは重要です。


一般媒介と専任媒介は結局どちらが売れやすい?

ここまで読むと、

「それでも結局、一般媒介と専任媒介ではどちらが売れやすいの?」

と疑問に思う方もいるでしょう。

結論からいうと、媒介契約の種類だけを見て、どちらが売れやすいとは一概にいえません。

不動産の売れやすさには、

・物件の所在地
・土地や建物の特徴
・売出価格
・周辺の競合物件
・購入需要
・販売方法
・広告内容
・不動産会社の対応
・売却する時期

など多くの要素が関係します。

そのため、媒介契約を選ぶ際には「どちらが売れやすいか」だけでなく、自分がどのような体制で売却を進めたいかという視点も持つことが大切です。

複数の不動産会社とやり取りしながら販売したいのであれば一般媒介が選択肢になります。

一方、売却の窓口を1社にまとめ、販売状況を確認しながら進めたい場合には専任媒介や専属専任媒介が選択肢になります。

どの契約を選ぶ場合でも、契約形態そのものより「契約後にどのような販売活動が行われるのか」を確認しておきましょう。


REINS(レインズ)とは?媒介契約との関係

REINS(レインズ)とは「Real Estate Information Network System」の略称で、不動産会社間で物件情報を共有するためのシステムです。

売却を依頼された不動産会社が物件情報をREINSへ登録すると、REINSを利用する他の不動産会社もその情報を確認できるようになります。

つまり、売却を依頼した会社だけで購入希望者を探すのではなく、他の不動産会社が抱えている購入希望者にも物件を紹介してもらえる可能性があります。

REINSを通じて不動産会社間で売却物件情報が共有される仕組み

■専任媒介と専属専任媒介にはREINSへの登録義務がある

専任媒介契約と専属専任媒介契約では、REINSへの登録が義務付けられています。

一般媒介契約には法律上の登録義務はありません。

この違いは、3種類の媒介契約を比較するときの重要なポイントの一つです。


■REINSへ登録されれば自動的に売れるわけではない

REINSは、不動産会社間で物件情報を共有し、購入希望者を探すための重要な仕組みです。

ただし、REINSへ登録しただけで自動的に購入希望者が現れるわけではありません。

売出価格、物件の需要、広告、写真や物件情報、問い合わせ対応なども売却活動には関係します。

REINSへの登録状況を確認するとともに、それ以外の販売活動についても不動産会社から説明を受けることが大切です。


媒介契約を結ぶなら「囲い込み」についても知っておこう

媒介契約について調べていると、「囲い込み」という言葉を目にすることがあります。

囲い込みとは、売却物件を預かった不動産会社が、他の不動産会社から購入希望者を紹介したいという問い合わせがあるにもかかわらず、正当な理由なく物件を紹介しないなど、他社を通じた取引の機会を制限する行為を指して使われます。

売主にとって重要なのは、不動産会社を必要以上に疑うことではなく、自分の物件情報が適切に公開され、購入希望者を探す機会が確保されているか確認できる仕組みを知っておくことです。


■REINSの売主専用画面も確認方法の一つ

専任媒介・専属専任媒介では、REINSへ登録された後に交付される登録証明書を使って、売主自身が登録内容や取引状況を確認できます。

そのため、

「REINSに登録しました」

という説明だけで終わらせず、登録証明書を受け取り、自分でも確認できることを知っておきましょう。

また、購入申込みがあった場合には、不動産会社には売主へ遅滞なく報告する義務があります。

不動産会社との信頼関係を築きながら、販売活動の状況を売主自身も把握しておくことが大切です。


媒介契約を選ぶ前に売主が確認したい5つのこと

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のどれを選べばよいか迷った場合は、「どの契約がおすすめか」だけで考えるのではなく、自分がどのように売却を進めたいのか整理してみましょう。


■1.複数の不動産会社へ依頼したいか

複数社へ同時に売却を依頼したい場合は、一般媒介が選択肢になります。

一方、1社と相談しながら売却活動を進めたい場合には、専任媒介や専属専任媒介を検討できます。


■2.売却の窓口を1社にまとめたいか

不動産売却では、問い合わせ、内覧、価格の相談、販売状況の確認など、不動産会社とのやり取りが発生します。

複数社とのやり取りを自分で管理するのか、1社へまとめるのかも判断材料になります。


■3.自分で買主を見つける可能性があるか

親族や知人など、自分で購入希望者を見つける可能性がある場合には、自己発見取引について確認しておきましょう。

一般媒介と専任媒介では自己発見取引ができますが、専属専任媒介では制限があります。


■4.販売状況をどの程度把握したいか

専任媒介・専属専任媒介には、不動産会社から売主への定期的な業務報告義務があります。

ただし、報告回数だけでなく、

「どのような内容を報告してもらえるのか」

まで確認しておくことをおすすめします。


■5.その不動産会社の販売方針に納得できているか

実務ではここが特に重要です。

一般媒介か専任媒介かを決める前に、

・どの価格から販売を開始するのか
・どのような広告を行うのか
・どの媒体へ掲載するのか
・購入希望者へどのように物件を紹介するのか
・反響が少なかった場合にどう対応するのか

を確認してみましょう。

不動産売却で媒介契約を選ぶ前のチェックリスト

媒介契約を結ぶ前に確認しておきたい注意点

媒介契約は、不動産会社から説明を受けてその場で種類を選ぶだけのものではありません。

契約後の売却活動にも関係するため、内容を理解してから契約することが大切です。


■査定価格の高さだけで不動産会社を決めない

査定価格が高いこと自体が問題なのではありません。

重要なのは、その価格に合理的な根拠があるかどうかです。

周辺の成約事例や現在の競合物件などを確認し、「なぜこの価格なのか」を説明してもらいましょう。

不動産会社を比較するときのポイントについては、「不動産売却で失敗しない不動産会社の選び方」で詳しく解説しています。


■契約期間と更新方法を確認する

専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は3か月を超えることができません。

契約を継続する場合には更新についても確認しておきましょう。

契約時には「とりあえず3か月任せればよい」と考えるのではなく、その期間中にどのような販売活動を行い、どのタイミングで結果を検証するのかまで確認しておくと、売却活動を見直しやすくなります。


■広告や販売方法を確認する

媒介契約を結ぶ前に、具体的な販売方法について確認します。

特に専任系の媒介契約では売却を依頼する窓口が1社になるため、その会社がどのような販売方針を考えているかは重要です。


■販売活動の報告方法を確認する

報告義務の有無や回数だけでなく、

「メールなのか、電話なのか」

「どのような内容を報告するのか」

なども確認しておくと安心です。

問い合わせや内覧がなかった場合でも、「ありませんでした」で終わるのではなく、その結果をどう分析し、次の販売活動へつなげるのかを相談できる関係が理想です。


春日井市・名古屋市で不動産を売却するときも契約形態だけで判断しない

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の制度自体は、春日井市や名古屋市だから変わるものではありません。

一方で、実際の販売戦略は物件の所在地や種類によって変わります。

たとえば同じ春日井市内でも、駅からの距離、土地面積、接道状況、周辺環境などによって想定される購入層は異なります。

名古屋市でも、区や駅、物件種別などによって市場の動きは一様ではありません。

土地、戸建て、マンションでも、購入を検討する人や重視されるポイントは変わります。

そのため地域の不動産を売却するときも、

「一般媒介と専任媒介のどちらがよいか」

だけで判断するのではなく、

その物件をどのような購入層へ、どの価格帯で、どのように販売するのか

まで確認することが重要です。

💡春日井市で売却を検討している方は「春日井市の不動産売却相場」、土地を売却する方は「土地売却の流れと注意点」もあわせて確認しておくと、売却全体を把握しやすくなります。


媒介契約についてよくある質問

■一般媒介は何社まで依頼できますか?

一般媒介では、複数の不動産会社へ重ねて媒介を依頼できます。

ただし、依頼する会社を増やせば増やすほど売れやすくなるとは限りません。

複数社との連絡や販売状況の把握も必要になるため、依頼先の数だけではなく、各社の販売方針を確認して判断しましょう。


■専任媒介でも他の不動産会社から買主を紹介してもらえますか?

はい。

専任媒介は、売主が売却の媒介を依頼する不動産会社を1社にする契約です。

依頼された会社がREINSへ物件を登録することで、他の不動産会社が物件情報を確認し、自社の購入希望者へ紹介することができます。

「専任媒介=依頼した会社だけが購入希望者を探す」という意味ではありません。


■専任媒介から一般媒介へ変更できますか?

現在の媒介契約の期間や契約内容を確認したうえで、契約終了後に別の契約形態を選ぶことは可能です。

契約期間中の変更や解約については、契約内容や状況によって費用等の問題が生じる場合もあるため、媒介契約書を確認し、不動産会社と相談しましょう。


■媒介契約を更新しないことはできますか?

専任媒介・専属専任媒介の更新は自動的に行われるものではなく、依頼者からの申出によって更新する仕組みです。

契約期間中の販売活動や対応を確認し、継続するかどうか判断します。


■媒介契約を結んだだけで仲介手数料はかかりますか?

一般的な売買仲介では、媒介契約を締結しただけで直ちに仲介手数料が発生するわけではありません。

仲介手数料は原則として売買契約が成立した場合に発生する成功報酬です。

ただし、媒介契約への違反など一定の場合には費用の償還等が問題になることがありますので、契約内容を確認しておくことが大切です。

💡不動産売却に必要な費用全体については、「不動産売却にかかる費用」で詳しく解説しています。


■媒介契約の途中で不動産会社を変更できますか?

契約期間中でも状況によって解約を検討することはできますが、契約内容や解約理由によって取り扱いが異なる場合があります。

特に専任媒介・専属専任媒介では、まず現在の媒介契約書を確認し、不動産会社と話し合うことが重要です。

販売活動に不満がある場合には、すぐに変更を決める前に、

「どのような販売活動を行ったのか」

「なぜ反響が少ないと考えているのか」

「今後どのように改善する予定なのか」

を確認することも判断材料になります。


まとめ|媒介契約の種類だけでなく「どう売るか」まで確認しよう

不動産売却の媒介契約には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3種類があります。

一般媒介は複数の不動産会社へ依頼でき、専任媒介と専属専任媒介は売却を依頼する会社を1社に絞る契約です。

また、自己発見取引、REINSへの登録、販売活動の報告などにも違いがあります。

こうした制度上の違いを理解することは大切です。

しかし、宅建士として実務目線で考えると、媒介契約の種類だけで売却結果が決まるわけではありません。

不動産売却では、

・どの価格から売り出すのか
・どのように購入希望者へ情報を届けるのか
・問い合わせや内覧の反応をどう分析するのか
・反響が少ない場合に販売方法をどう見直すのか

といった「媒介契約を結んだ後の販売活動」も重要です。

そのため、不動産会社から媒介契約について説明を受けたときは、

「一般媒介と専任媒介のどちらがよいですか?」

と聞くだけでなく、

「この物件をどのように売却していく予定ですか?」

と聞いてみることをおすすめします。

その説明に納得できるかどうかも、不動産会社や媒介契約を判断するための重要な材料になります。

不動産売却は、査定を受けて不動産会社を決め、媒介契約を結んだら終わりではありません。

媒介契約は、本格的な販売活動を始めるためのスタート地点です。

3種類の違いを理解したうえで、自分の売却方針に合った契約を考え、契約後の販売方法まで確認しながら売却を進めていきましょう。


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記事執筆

株式会社Bloom

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