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不動産を売却するとき、「いくらで売り出すか」は非常に重要な判断のひとつです。
不動産会社へ査定を依頼すると査定価格が提示されますが、その金額をそのまま売出価格にしなければならないわけではありません。
「査定価格より高く売り出してもいいの?」
「最初は少し高めに設定して、売れなければ値下げすればいい?」
「そもそも売出価格は誰が決めるの?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
不動産の価格には、査定価格・売出価格・成約価格など、似ているようで意味の異なる価格があります。それぞれの違いを理解せずに価格を決めてしまうと、販売期間が長期化したり、反対に売却を急ぐあまり必要以上に低い価格で売却したりする可能性があります。
この記事では、不動産売却が初めての方に向けて、査定価格と売出価格の違い、売出価格を決めるときに確認したいポイント、相場より高く売り出す場合の考え方、価格変更を検討するタイミングなどをわかりやすく解説します。
春日井市や名古屋市で土地・戸建て・マンションの売却を検討している方も、価格を決める際の基本的な考え方として参考にしてください。
売出価格とは、不動産を市場に売り出す際に設定する販売価格のことです。
不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページ、販売図面などに掲載され、購入希望者が最初に目にする価格でもあります。
たとえば、不動産会社から「査定価格3,000万円」と提示された物件を、売主が3,180万円で市場に出すのであれば、3,180万円が売出価格です。
ただし、売出価格がそのまま最終的な売却価格になるとは限りません。
購入希望者との価格交渉などを経て、最終的に売主と買主が合意した価格で売買契約を締結します。
この最終的に合意した価格が「成約価格」です。
■ 査定価格・売出価格・成約価格はそれぞれ違う
不動産売却では、少なくとも次の3つの価格を区別して考えることが重要です。
・査定価格:不動産会社が物件の状態や周辺の取引事例、市場動向などをもとに算出する価格
・売出価格:実際に市場へ売り出すときに設定する価格
・成約価格:売主と買主が最終的に合意して売買契約を締結する価格
つまり、
「査定価格=売出価格=成約価格」
になるとは限りません。
査定価格は、売出価格を検討するための重要な判断材料ですが、「この価格で必ず売れる」と保証された金額ではありません。

不動産査定そのものについて詳しく知りたい方は、「不動産査定とは?机上査定と訪問査定の違い」もあわせて確認しておくと、査定価格の考え方を理解しやすくなります。
不動産会社から査定価格を提示されると、「不動産会社が売出価格を決める」と考える方もいるかもしれません。
しかし、不動産会社は査定結果や市場動向などをもとに売出価格について提案や助言を行いますが、実際にいくらで売り出すのかは、売主の意向も踏まえて決めていくことになります。
■ 不動産会社は価格を判断するための材料を提示する
不動産会社は、周辺の成約事例や現在販売されている競合物件、土地の面積や形状、建物の築年数、マンションの階数や向きなど、さまざまな情報をもとに査定を行います。
そのため、売出価格を考える際には、
「なぜこの査定価格になったのか」
「近隣ではどのような物件が売り出されているのか」
「実際にはどのくらいの価格で成約しているのか」
といった根拠を確認することが重要です。
査定価格だけを見るのではなく、その価格が算出された理由まで確認しましょう。
■ 売主の希望だけで価格を決めることにも注意する
もちろん、「できるだけ高く売りたい」という希望を持つこと自体は自然なことです。
しかし、希望価格だけを基準として周辺相場から大きく離れた価格を設定すると、購入希望者から検討されにくくなる可能性があります。
反対に、「早く売りたい」という理由だけで十分な検討をせずに価格を下げてしまうと、本来検討できた価格より低く売却することになるかもしれません。
売出価格は、
売主の希望と市場での売れやすさのバランス
を考えながら決めることが大切です。
不動産会社を選ぶ段階で査定価格だけを比較することにも注意が必要です。詳しくは「不動産売却で失敗しない不動産会社の選び方」で解説しています。
売出価格は、査定価格だけを見て決めるものではありません。
ここでは、価格を検討するときに特に確認したい5つのポイントを紹介します。

まず確認したいのが、不動産会社から提示された査定価格です。
ただし、重要なのは金額そのものだけではありません。
「なぜこの価格なのか」という査定の根拠を確認しましょう。
たとえば土地であれば、面積・形状・接道状況・用途地域などが価格に影響します。
戸建ての場合は、土地に加えて建物の築年数や状態なども確認されます。
マンションでは、所在階・向き・専有面積・管理状況・同じマンション内の成約事例などが判断材料になることがあります。
複数の不動産会社へ査定を依頼した場合、査定価格に差が出ることもあります。
その場合も、単純に最も高い査定価格を採用するのではなく、それぞれの査定根拠を比較することが大切です。
■ 現在売り出されている競合物件を確認する
購入希望者は、自分が検討している物件だけを見ているわけではありません。
同じ地域、同じ価格帯、似た広さや築年数などの物件を比較しながら購入を検討します。
そのため、売出価格を決めるときには、現在市場に出ている競合物件を確認することも重要です。
たとえば同じエリアに似た条件の戸建てが複数売り出されている場合、自分の物件だけ価格が大きく高ければ、他の物件が先に検討される可能性があります。
一方で、同じ条件の物件がほとんど市場に出ていなければ、その希少性を踏まえて価格を検討できる場合もあります。
■ 実際の成約事例を確認する
現在の売出物件とあわせて確認したいのが、過去の成約事例です。
ここで注意したいのは、
売出価格と成約価格は違う
という点です。
インターネット上で確認できる販売物件の価格は、基本的には「現在いくらで売りたいか」を示す価格です。
その価格で実際に売れたことを意味するわけではありません。
そのため、売出価格を検討するときには、現在の販売価格だけではなく、実際の成約事例もあわせて確認することが重要です。
■ 物件独自の条件を考える
不動産は、一つとして完全に同じものがありません。
同じ町内にある土地でも、
・土地の広さ
・形状
・間口
・接している道路
・方角
・高低差
などによって条件が異なります。
戸建てであれば建物の築年数や維持管理状況、マンションであれば階数・向き・眺望・管理状況などによっても違いが生じます。
周辺相場は重要ですが、「この地域の相場が○○万円だから、この物件も○○万円」と単純に決めることはできません。
■ いつまでに売却したいのかを考える
価格を決めるうえで意外と重要なのが、売却希望時期です。
「時間がかかっても条件に合う購入希望者を探したい」という場合と、「住み替えの予定があるため一定期間内に売却したい」という場合では、価格設定の考え方が変わる可能性があります。
売出価格を決める前に、
「いつ頃までに売却したいのか」
「その時期までに売れなかった場合はどうするのか」
についても考えておくと、その後の価格変更について判断しやすくなります。
「せっかく不動産を売るなら、まずは高めの価格から売り出したい」
と考える方もいるでしょう。
相場より高い価格で売り出すこと自体が、必ずしも間違いというわけではありません。
ただし、高めに設定するのであれば、そのメリットだけでなくリスクも理解しておく必要があります。
■ 希望する価格で成約できる可能性がある
物件の条件や市場状況によっては、当初想定していた価格より高い金額で購入を希望する人が現れることも考えられます。
特に、同じエリアで競合する物件が少ない場合や、立地・土地形状・建物の状態などに特徴がある場合には、単純な平均価格だけでは判断できません。
そのため、「相場より少し高いから絶対に売れない」と決めつける必要はありません。
■ 購入希望者の候補から外れる可能性がある
一方で、売出価格が高くなるほど購入できる人の範囲は狭くなります。
購入希望者の多くは予算を決めたうえで物件を探しています。
不動産ポータルサイトなどでは「3,000万円以下」「4,000万円以下」のように上限価格を設定して検索することもできます。
たとえば4,000万円までで探している人に対して4,180万円で売り出した場合、検索条件によっては物件そのものが表示されない可能性があります。
売出価格の設定は、単に「最終的にいくらで売りたいか」だけでなく、どの価格帯の購入希望者に物件を見てもらえるかという観点から考えることも重要です。
■ 販売期間が長期化する可能性がある
市場から見て価格が高い状態が続くと、問い合わせや内覧につながらず、販売期間が長くなる場合があります。
販売期間が長くなったからといって、そのことだけで物件に問題があるとは限りません。
ただし、購入希望者から「長期間売れていない物件」と認識される可能性については考えておく必要があります。

不動産売却では、
「どうせ値引き交渉されるなら、その分を上乗せして売り出しておこう」
と考えることもあるでしょう。
一定の価格交渉を想定して売出価格を考えることはありますが、「値下げする前提だから、できるだけ高く設定すればよい」とは限りません。
■ 価格交渉の余地を考える方法もある
購入希望者から価格について相談されることはあります。
そのため、売主が希望する金額と売出価格の間に一定の幅を持たせるという考え方はあります。
ただし、どの程度の幅を持たせるのが適切なのかは、物件や市場状況によって異なります。
「不動産なら○%値引きされる」といった一律の基準で考えないことが重要です。
■ 高くしすぎると購入候補に入らないことがある
価格交渉は、購入希望者が物件に興味を持ったあとに行われます。
そもそも売出価格が予算から大きく外れていれば、内覧や問い合わせまで進まない可能性があります。
そのため、
「最終的には4,000万円くらいで売れればいいから、とりあえず4,500万円で出してみよう」
という考え方が必ず有効とは限りません。
価格交渉を想定する場合でも、周辺相場や競合物件との比較を踏まえて設定する必要があります。
販売を開始しても、すぐに購入希望者が見つかるとは限りません。
その場合に検討することになるのが、売出価格の変更です。
ただし、
「1か月売れなかったから値下げ」
「3か月経ったら○%下げる」
など、一律に決めることはおすすめできません。
重要なのは、販売活動に対する市場の反応を確認することです。
■ 問い合わせ数を確認する
販売開始後に問い合わせがほとんどない場合、価格だけでなく、広告の見せ方や販売方法なども含めて原因を確認する必要があります。
問い合わせが少ないからといって、必ず価格だけが原因とは限りません。
■ 内覧件数と内覧後の反応を確認する
問い合わせはあるものの内覧につながらないのか、内覧はあるものの購入申込みにつながらないのかによっても、確認すべきポイントは異なります。
内覧後に、
「価格とのバランスが合わない」
「他の物件と比較している」
などの反応が続く場合には、価格設定を見直す判断材料になることがあります。
■ 競合物件の変化を確認する
売却活動中にも市場は変化します。
新しい物件が売り出されたり、競合物件が値下げされたり、反対に周辺の物件が成約して市場からなくなったりします。
売出価格は販売開始時に一度決めて終わりではなく、周辺の市場状況を確認しながら考えることが大切です。
■ 媒介契約をしている不動産会社と販売状況を確認する
価格変更を検討するときは、不動産会社から販売状況について説明を受けることも重要です。
専任媒介契約や専属専任媒介契約では、宅地建物取引業法上、不動産会社に一定頻度以上の業務処理状況の報告義務があります。
一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

春日井市や名古屋市で不動産を売却する場合も、基本的な価格の考え方は同じです。
ただし、「春日井市の土地」「名古屋市の戸建て」という大きなくくりだけで価格を判断しないことが重要です。
■ 同じ市内でも不動産価格は一律ではない
不動産価格は、市区町村だけで決まるわけではありません。
駅からの距離、周辺環境、土地の形状、接道条件、用途地域、建物の築年数など、さまざまな条件が関係します。
マンションの場合も、同じマンションであっても所在階や向き、専有面積、室内状況などによって条件が異なります。
そのため、
「春日井市の平均価格が○○万円だから」
「名古屋市の坪単価が○○万円だから」
という理由だけで売出価格を決めるのは避けた方がよいでしょう。
■ 周辺の競合物件まで確認する
購入希望者は行政区分だけで物件を探しているとは限りません。
たとえば春日井市内で探している方でも、希望する沿線や駅、学校区、予算などによって比較する物件は変わります。
場合によっては隣接する地域の物件も比較対象になります。
そのため、売出価格を検討するときには、自分の物件と実際に競合する可能性がある物件を確認することが大切です。
春日井市の土地・戸建て・マンションの相場については、「春日井市の不動産売却相場|土地・戸建て・マンションの価格をわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。
売出価格を考えるときに忘れたくないのが、売却後に手元に残る金額です。
たとえば3,000万円で不動産を売却しても、3,000万円すべてが手元に残るわけではありません。
売却時には、条件に応じて仲介手数料、印紙税、登記関係の費用、測量費、解体費などが必要になることがあります。
住宅ローンが残っている場合には、売却代金から残債を返済するケースもあります。
さらに、売却によって譲渡所得が生じれば税金について確認する必要があります。
そのため、
売出価格だけではなく、最終的な手取り額まで考えて資金計画を立てる
ことが重要です。
売却に必要な費用については、「不動産売却にかかる費用」の記事で詳しく解説しています。
税金について確認したい方は、「不動産売却の税金・譲渡所得税」の記事も参考にしてください。
ここまでの内容を踏まえて、売出価格を決める前に確認したい項目を整理します。
✅査定価格だけでなく査定根拠を確認したか
✅現在売り出されている競合物件を確認したか
✅周辺の成約事例を確認したか
✅土地や建物など物件固有の条件を確認したか
✅いつまでに売却したいのか整理したか
✅相場より高く設定する場合のメリットとリスクを理解したか
✅販売開始後に価格を見直す条件について相談したか
✅売却にかかる費用や住宅ローン残債を含めて手取り額を確認したか
すべてを売主だけで判断する必要はありません。
大切なのは、不動産会社から提示された金額だけを見るのではなく、どのような根拠でその価格になっているのかを理解したうえで判断することです。

■ 査定価格より高く売り出してもいい?
査定価格と売出価格は同じものではないため、査定価格より高い金額で売り出すことを検討する場合もあります。
ただし、周辺相場や競合物件と比べて大幅に高い場合には、購入希望者から検討されにくくなる可能性があります。
高めに設定する場合は、その価格で売り出す根拠と、反応が少なかった場合の対応まで考えておくことが大切です。
■ 査定価格より安く売り出すことはある?
売却を希望する時期や物件の状況などによっては、査定価格より低い売出価格を検討するケースもあります。
ただし、単純に価格を下げればよいというわけではありません。
売却目的や資金計画などを整理したうえで判断する必要があります。
■ 売出価格からどのくらい値引きされる?
不動産売買に「必ず○%値引きされる」という決まりはありません。
売出価格の設定、市場状況、物件への問い合わせ状況、売主と買主それぞれの事情などによって異なります。
あらかじめ一定の価格交渉を想定する場合でも、一律の割合で考えないことが重要です。
■ 売出価格を変更すると売れにくくなる?
価格を変更したことだけを理由に、必ず売れにくくなるわけではありません。
市場から見て価格が合っていなかった場合には、価格変更によって新たな購入希望者の検討対象になる可能性もあります。
重要なのは、単に「売れないから下げる」のではなく、問い合わせ数や内覧状況、競合物件などを確認して判断することです。
■ 複数の不動産会社で査定価格が違う場合はどうする?
不動産会社によって査定方法や参考にする事例、物件に対する評価が異なるため、査定価格に差が出ることがあります。
この場合も、最も高い査定価格だけで不動産会社を決めるのではなく、それぞれの会社に査定根拠を確認しましょう。
査定価格とその根拠を比較することで、売出価格を考える材料にもなります。
不動産の売出価格は、売却結果を左右する重要な要素のひとつです。
ただし、不動産会社から提示された査定価格をそのまま売出価格にすればよいわけではありません。
査定価格は売出価格を考えるための重要な判断材料ですが、実際に価格を決める際には、
・査定価格とその根拠
・現在の競合物件
・周辺の成約事例
・物件独自の条件
・売却希望時期
・販売開始後の市場の反応
・売却後の手取り額
などを総合的に確認することが大切です。
また、相場より高めの価格から販売を開始することが必ず間違いというわけでも、早く売るために価格を下げればよいというわけでもありません。
大切なのは、なぜその価格で売り出すのか、どのような反応があれば価格を見直すのかを事前に整理しておくことです。
不動産売却は、査定を受けて終わりではありません。
不動産会社を比較し、媒介契約を結び、売出価格を決めて、そこから本格的な販売活動が始まります。
それぞれの段階の違いを理解しながら進めることで、自分の売却方針に合った判断がしやすくなります。
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